【MPSニュース】JFMA新春セミナーを開催しました!
1月14日にJFMA新春セミナー「花き業界のこれからをつくる 新しいトレンドの生まれ方・育て方」が開催されました。ここではハクサン常務取締役・藤原雅志氏による講演と、パネリスト4名によるパネルディスカッションの内容を取りまとめてご紹介します。(詳しくは1月20日発行のJFMAニュースをご覧ください。)
ハクサン常務取締役・藤原雅志氏より、同社のProven Winners(PW)ブランドを事例に、高付加価値なブランドの構築について解説されました。
PWは欧州・米・アジアの20社が参加する園芸品種の開発ネットワークで、加盟会社や育種家から有望な品種を集め、それぞれの会社が各地域の気候に合わせた栽培テストを行い、毎年行われるPWグローバル会議で情報共有や開発戦略を練っています。PWの思想は「⾃分たちが売りたいものを作る」よりも「消費者にどんなものを届けたらハッピーになってもらえるか」であり、⼀般の消費者が栽培することを想定した露地での栽培試験や、病害⾍の確認などもテストしています。

PWブランドを浸透させるためのハクサンの取り組みとして、オンライン上のコミュニティを利用した方法について紹介されました。影響⼒の大きなインフルエンサーではなく、園芸が本当に好きで関わりたいという方々をアンバサダーとして募集し、春と秋に苗を届け、育成状況や感想をYouTubeなどに投稿してもらいました。商品の宣伝のためではなく失敗体験も含めて発信してもらうことで、消費者目線で情報交換を行うオンラインコミュニティが構築され、現在は年間400人の募集に対し3500人が応募される規模になりました。この方法は、ブランド・プロ・消費者の3層が連動してトレンドが自走する仕組み、「3層の共創マーケティング」と捉えられます。
トレンドの時間軸について、流行には一過性(1年未満)の「ファド」と、そこから数年かけて広がる「トレンド」があり、さらに生活に溶け込み定着すれば「カルチャー」となります。業界が目指すべきはトレンドを育ててカルチャーにすることであり、一過性の流行はブームが去った後に過剰投資による経営難を招く恐れもありむしろ注意が必要です。一旦定着した文化でも、⺟の⽇のカーネーションが旅⾏や⾷事に代替されるように、時代に応じて変化してゆくものです。そのため、商品だけでなく使い⽅や体験、届け⽅まで含め、継続的な価値創造の努力が必要です。
小川孔輔JFMA会⻑をモデレーターに、パネルディスカッション「新しいトレンドをどう育てるか?」が開催されました。パネリストは藤原雅志氏(ハクサン常務取締役)、関信⼀郎氏(JA常陸奥久慈枝物部会副部会⻑)、山田桂氏(ヤマキ花卉園代表取締役、MPS-ABC認証参加者)、樋口博紀氏(東日本板橋花き代表取締役)の4名でした。
はじめにモデレーターの小川氏からトレンドの周期性について解説があり、議論のテーマとして「下降トレンドをどう⾷い⽌め、育てるか」が提示されました。

パネラーそれぞれの取り組みとして、まずは関氏から奥久慈枝物部会は年間約300種類の枝物を販売しているが、産地がトレンドを作るというより市場や小売店側のリクエストに応えている状況との説明がありました。続いて山田氏より、ヤマキ花卉園は一貫してひまわりとストックの2種類しか生産しておらず、売れるから作るのではなく継続して購入されるお客さんを増やすことを重視していること、また、若手生産者の集まりを組織し個々の成長を促進していることが紹介されました。樋口氏からは育種・産地・流通をつなぐネットワークによってトルコギキョウの周年供給体制が構築できた事例が紹介されました。
これからの花のトレンドについて、生産者がさまざまな仕掛けを行っていること、それらを受け入れる一定数の消費者は存在しているが、それを維持拡大することの難しさについて話し合われました。最後に今後の抱負に関連して、高齢化により産地の維持が難しくなりつつある中、若い世代の活躍と、種苗・資材・生産・販売といった業種の垣根を超えた協力体制の構築が重要になるだろうとの意見がありました。

