【MPSニュース】4月号・巻頭言:切り花の日持ち性の向上

ホームユース拡大の鍵、低温貯蔵で適宜出荷

花き消費動向調査で「この1年で花を買ったかどうか」の設問がある。今年の調査結果を見ると、花を買う人が10人中3人となっている。
1998年頃は、10人中7~8人が花を買ってくれていた。コロナ禍の巣ごもり体制の中で身近に花や緑を飾ろうとホームユースの花き販売が一時伸びていたが、また減少に転じてしまっている。都会地では、バレンタイン、成人式、卒業式など若い人の花の需要が増えているとも言われるが、それが日常の花飾りに結び付いていない。花はすぐ枯れてしまうからとの声もある。

切り花の採花から枯れるまでの観賞期間は、品目、品種によって決まっている。本来の日持ちを保つためには、適切な前処理やバケツ、ハサミなどの十分な衛生管理、保管・輸送における温度・湿度管理をやっていく必要がある。簡単に言えば、適切な処理をされた花を低温で出来るだけ早くお客様にお届けすることが基本となる。但し、日持ちは目に見えない品質で、日持ちマニュアルを作ってもなかなか普及しなかった。そこで日持ちの要件をチェックリストにして、やるべきことをやれたら認証マーク(リレーフレッシュネス、2015年から運用)を付与するという日持ち品質の「見える化」を図ったことで漸く前に進んできた。生産、流通、小売の連携で、地味な取組みだが、出来て当たり前の最低限の品質確保をしてお客様に少しでも長くお花を楽しんでもらうことが花の消費拡大の基本となる。

欧州では、環境対応(炭酸ガス排出量削減)で花き輸送はエア便から船便に変わってきている。船便だと輸送期間が長くなるが、輸送温度を0.5~1℃とすることで品質を保っている。更には、低温貯蔵で出荷時期の調整も可能としている。過日、日本で低温貯蔵庫を持って低温貯蔵・予冷出荷をしている秋田県JAうごの予冷出荷の取組みを見せてもらった。1℃で貯蔵・予冷することで、(日持ち)品質を保って出荷している。出荷時期を調整することによって物流問題にも対応できている。今後のモデルケースとなると思う。