【MPSニュース】ジャパンフラワー強化プロジェクト検討会を実施しました

令和7年度のジャパンフラワー強化プロジェクト推進に関する第3回検討会が、3月10日に市ヶ谷で実施されました。本年は出荷情報のデータ連携サービスの開発と、切り花の低温貯蔵についての情報収集と試験が行われ、それらについて報告されました。また、京都大学名誉教授の土井先生より、切り花の老化とエチレンに関する特別講演が行われました。
まず、大谷商会様より出荷データの連携サービスであるフローラAPIについて詳細な説明がありました。フローラAPIは出荷者・市場・物流業者を結ぶデータ中継サービスであり、それぞれがバラバラなデータ管理方法やシステムを採用している現状でもデータの自動的なやり取りを可能にするものです。注文、出荷、売り立て、物流などさまざまなサービスを備えており、次年度より本格運用が計画されています。検討会では本年度の試験運用結果、特にQRコードを使用した商品追跡システムの実証実験について報告されました。
続いて、土井先生による特別講演が行われました。切り花の老化は植物の生長における正常な過程であり、植物ホルモンの一つであるエチレンは老化の進行に重要な役割を果たしていること、エチレンには他にも複数の作用があること(種子発芽、花の成長、茎の長さ調整、クロロフィルの分解、落葉や落弁の促進など)、植物体内でのエチレンの生合成プロセスなどに関して詳しく解説されました。さらに、エチレン阻害剤による切り花の日持ち促進のメカニズムについての紹介がありました。
次に、切り花の低温保存に関して、秋田県のJAうご様で行われている先進事例の紹介がありました。当初は切り花の日持ち品質管理のため出荷前に1℃で24時間以上の予冷処理を行っていました。その後、物流の環境が変化して保管と輸送にこれまで以上の日数がかかるようになり、花の劣化が問題となりました。そこで収穫後の温度管理について徹底的に調査を行ってゆくうちに、低温保存を7〜10日行っても日持ち品質が確保できる条件を見つけ出しました。現在は単なる出荷前の予冷ではなく、日々集まる花を低温保存しておき、需要期にまとめて出荷するようになっています。当然ながら予冷によって品質が低下する花もあり、試行錯誤の結果出来上がった体制であることが紹介されました。
MPSジャパンからは今年度実施した切り花の低温保存試験の結果報告がありました。産地での保存では、トルコギキョウ(保存1週間以内)やスプレーマムで実用的であるとの結果になりました。他の花や管理方法では、低温保存に向いた品種を選択するなど追加条件の検討が必要と判断されました。市場到着後の保存では、輪ぎく、小菊、カーネーションでは十分に実用可能、バラとユリでは条件次第で利用可能との結果でした。このように低温保存の成功事例は得られましたが、各産地・各市場が実践するには自分たちの状況に適した方法を見つけ出す必要があるため、参考にすべきマニュアルを作成してゆきます。
最後に、JAうご様よりストックや金魚草の首曲がり防止試験の結果が報告されました。

