【MPSニュース】12月号・巻頭言:2025年を振り返る!

MPSジャパン株式会社 代表取締役社長
松島義幸
ロシアのウクライナ軍事侵攻の長期化、イスラエルとパレスチナ紛争、トランプ大統領の関税政策など世界は不安定な激動の中にあり、グローバルにつながった世界経済に多大な影響を与えている。加えて地球温暖化による気候変動から異常気象による大雨洪水、山火事などの災害を引き起こしている。日本の花き業界は、円安による燃油、電力、輸送費、資材費の高騰で生産コスト上昇、気候変動による高温下によるリレー生産の乱れなどによる価格上昇を招き、小売は、花の仕入れ価格が上がって、どこまで価格転嫁をするかで苦しんだ。
毎年定点観測している花き消費動向調査では、花き消費全体では、減少傾向が続いているが、Z世代に代表される若い世代の花き消費が増えている。成人式、卒業式などの花贈り、それをSNSで拡散すると言うような楽しみ方となっている。また、季節感のある花、草花・枝物に人気が出ている。ホームユース、サブスクの需要など短茎の花が求められているが、これらの需要に生産、流通側が供給しきれていないのが現状で、長年の課題となっている。
2024年4月から施行となった物流規制に対応するには、ドライバーの終業時間を短縮すべくパレット・台車の導入が有効であることは実証できたが、当面の対応としては、共同配送、リレー配送、拠点物流センターの利用が必須となる。そこで花き物流会社が課題解決・調整の場が必要と言うことで花き物流協議会設立の準備を進めている。また、花き物流情報のDX化については、クラウドAPIを使用することによって、産地の出荷情報が各市場のシステムに合わせてつなぐことが可能となることが実証された。今後は、出荷データが、物流会社にもつながることで、物流の効率化にも寄与する。
切り花の日持ちでは、低温貯蔵試験を実証事業で取上げた。欧米では、環境対応からエア輸送から船便に切り替えている。1℃で貯蔵して30日以上品質保持をする技術を確立している。日本でも今年から低温貯蔵試験を各品目で試験してデータを蓄積している。低温貯蔵技術が確立できれば、出荷日調整や物日対応に役立つ。また、切り花日持ちJASが今年スタートしたこともトピックとして上げられる。
花き業界の環境負荷低減の取組みについては、花の国日本協議会がwell-blooming projectとして、スリーブ、トレイなどのプラスチック削減、リサイクル利用などに取組んだ。更には、生産面での取り組みとして環境負荷低減への取組みを開始した。また、大手花屋チェーンでは、調達基準としてMPS認証の花を使用すると発表している。漸く小売、消費側からの環境負荷低減への動きが出てきたといえる。
今年も残り僅かとなりました。来年も少しでも良い年となるように皆さんと共に歩みたいと思います。どうか良いお年を。

