【MPSニュース】植物大好き!西村社長コラム:花文化隆盛への期待を込めて(新年のご挨拶)
日本の鎖国時代にオランダ商館員の一員として長崎出島に滞在したドイツ人シーボルトはアジサイのある園芸品種にHydrangea otaksaと命名し、このotaksaとは当時愛妾であったお滝さんの名を潜ませたという逸話は有名です。(現在は植物学上の有効名ではない、Wikipediaより)現在世界に2,000品種以上あると言われるアジサイはもともと日本に自生するガクアジサイから改良されたものです。
中尾佐助著「花と木の文化史」によると、日本の江戸時代にはアサガオ、サクラ、サクラソウ、ウメ、ツバキ、ハナショウブ、キク、シャクヤクなどの品種改良が進んだ。これらの草花や花木、斑入り植物の改良技術は世界でもまれに見る発展を遂げたのであるが、その優れた新品種の育成には人工交配の技術がなかったとあります。西洋では1770年代、リンネの時代からに盛んに人工交配による品種改良が行われたとあります。現在では人為的な交配技術によって新品種を創るのが当たり前ですが、私にはこの技術に依らず無数の新品種ができたという技術、恐らく自然突然変異や自然交配による変異を見つける驚異的な観察眼のなせる業が日本人にあったと見ています。私の過去の経験では、野生のエビネが自然交配によると思われる花色変異個体が多く見つかった。またツワブキの白い斑入り個体を山で見つけた程度であり、観察眼は江戸時代の人々より劣ります。
東京農業大学の湯浅浩史著「花の履歴書」では日本の野生種に起源、あるいは古くに渡来した植物により発展した花きとしてツバキ、ツツジ、サクラ、キク、フジ、ハナショウブ、アジサイ、ユリ、ナデシコ、ギボウシ、アサガオ、ムクゲ、ダリア、キキョウ、ヨメナ、モミジ、サザンカ、センリョウ、マンリョウ、フクジュソウ、ナンテン、アオキなどを挙げています。現在日本の花店・園芸店ではマイナーな品目が多く、洋花が中心となっていますが、私はこのような和の世界を積極的に取り込むことが日本の花き業界には必要と思ってい ます。最近話題となる花店で野花が売れるという事実は日本人が伝統的に持っている花を愛でる独特の感性が改めて芽生えてきていることかもしれません。伝統的花材商品を今風にアレンジできる達人の方達に期待して、新年の挨拶と致します。


