【MPSニュース】植物大好き!西村社長コラム:室内園芸にはランが最高

家の明るい南向きの窓際で育てているランの一種、パフィオペディルム・フィリピネンセが3年ぶりに花を咲かせました。直径20㎝ほどの鉢に2株が同時に花茎を伸ばし、全体で10輪が開花しました。GKZ植物事典というネットサイトに記載されている情報によると、パフィオとはラテン語でビーナス、ペディルムはスリッパを意味しているそうです。フィリピネンセは名の通り、フィリピンに原生していることが由来です。
私の手元に成美堂出版(株)発行の日本と世界の洋ランカタログ‘97という雑誌があり、この中でこのランの種名を知りました。この雑誌は1997年出版で相当古いものですが、通販サイト、アマゾンでこの雑誌が今でも販売されています。400点余りのランが161ページにフルカラーで掲載され、アマゾンの価格は2,220円です。今では信じられないほどの安さです。アマゾンでの花卉園芸・花づくりの項目での売れ筋ランキングは1,114 位、ガーデニングの本では2,725 位であり、ほとんど購入希望者がいないということでしょうか。私の手元には94年版、95年版もあり、毎年刊行されていることから、この頃にはそれなりに購入数があったものと思います。洋ラン愛好家は現在でも全国におられる訳ですが、新規に愛好家となる人がかなり減少したことが、現在発刊されていない原因かもしれません。ネット通販では渥美洋ランセンター、鈴木ラン園という生産者がフィリピネンセの株を販売しています。価格は5,500 円です。
話は前に戻り、このフィリピネンセの花はパフィオペディルム属のランの中でも非常に特異な形状をしています。1輪の花の大きさは縦・横の広がりがそれぞれ10㎝ほどで、特にスリッパと称するほど袋状になった巾着型の唇弁(リップ)の左右に垂れ下がる花弁は捻じれながら下垂しています。上に被さるのは萼片です。この花がフィリピンの山奥の環境に適応して密かに進化したことを考えると見た目のグロテスクさというより神秘な美しさを感じます。派手な色彩に改良されたのではなく、原種が持つ質素な色合いも魅力です。
パフィオペディルムは和名が常葉蘭と呼ばれ、日本での栽培は古く、水戸徳川家の徳川圀成は白花パフィオを愛し、多くの品種を作り出した育種家として知られているそうです。東洋ランの詫び,寂びという感性を愛でることとは別の伝統があるということになります。


