【MPSニュース】花き業界の自然関連マップの作成

ネイチャーポジティブ(自然再興)は、温室効果ガスの排出削減も含む、地球環境を回復するための国際的な取り組みです。日本政府も「ネイチャーポジティブ経済移⾏戦略」を打ち出すなど、私たちの生活や企業・社会の活動にとって、これからますます重要性を増すと考えられます。ネイチャーポジティブの背景や具体的な取り組み事例については、MPSニュース2025年8月号の記事をご参照ください。

国産花きの需要拡大のため活動している花の国日本協議会では、花きの生産から消費に至るまでのウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良い状態)とサステナビリティ(持続可能性)を向上するためのプロジェクト「well-blooming project」を推進しており、このたび、花き業界でのネイチャーポジティブの取り組みを促進するため、「自然関連マップ」を作成しました。国際標準とされている手法に従って作成し、専門的な用語や見解が多く難しい内容ですが、一般の方々への説明用に簡略化したものを紹介します。

① 企業活動と⾃然との関連性に注⽬が集まっています

さまざまな自然の機能や効能は、花き業界の活動にとって重要です。今後も花きの生産や販売を続けてゆくために、自分たちの活動と自然との接点や関連性について理解することが大事です。

他の業界では株主や取引先・消費者からの信頼を高めるため、企業活動と自然との関連性、考えられる対策と目標および実績を自ら公表しています。
花き業界は自然とのつながりが活動上も商品のイメージとしても重要です。自然との関連性を正しく認識し、改善できることから取り組み始めましょう。

② 花き業界と自然との関連性を理解しましょう

今回、生産者・流通業者・小売店など花き業界の各分野の代表者に集まっていただき、それぞれの活動がどのように自然から影響を受けている(自然に依存している)か、その一方で自然に影響を与えているか話し合い、花き業界と自然との関連性を明らかにしました。下の図の矢印の太さは影響の大きさを表しています。

花き業界と自然との関連性について、主要な点をまとめると以下のように考えられました。

  • 花き生産は自然から受ける影響と自然に与える影響ともに大きい
  • 気候変動が花きの生産・輸送・販売に影響する一方、全段階でCO2を排出している
  • 水の利用が生産・取引・販売で重要であり、水資源に影響を与えている
  • 生産・取引・販売で排出されるプラスチック等の廃棄物が自然を汚染している

③ 将来のため、自然と正しく向き合うことが重要です

花き業界は自然と多くの接点があり、将来も活動を続けるためには自然と良い関係を築いてゆくことが重要です。私たちの活動が自然に与える影響を無視し続けたときに、何が起きるか考えてみました。

自然を無視した花き業界の将来
  • 自然環境の悪化により業界にさまざまな被害がもたらされ、規制強化により活動が難しくなる。
  • 消費者意識が変化し花を購入しなくなる可能性がある。

一方、自然との関連性を理解した上で、業界が一体となってネイチャーポジティブに取り組むことで、現在業界が直面している課題の解決や、新たな需要創出などのチャンスが生まれると考えられました。

自然と正しく向き合う花き業界の将来

生産〜販売までの各業種が協力し新たな価値が生み出せる;

  • 気候変動に対応した産地
  • 輸送問題の解決・品質向上
  • 自然を感じる新たな商品
  • 花屋のイメージ向上と新たな役割の誕生(街の景観、自然とふれあう場所)

④ 自然に配慮した花き業界を実現するために

自然関連マップを作成したことで、花き業界が優先的に実施すべき対策が明確になりました。

製造や建設など他業界では、このような自然関連課題の分析は一般的になりつつあります。それらと同じ方法で作成した今回の自然関連マップは、他業界の取引先から信頼を得るために大変有効だと考えています。