【MPSニュース】植物大好き!西村社長コラム・花はなぜ美しいか
花はなぜ美しいか
私達はこの問いに対して普段考えたことはまずないと言って良いでしょう。ここでは「ヒマラヤの花」や「栽培植物と農耕の起源」などの著書があり、照葉樹林文化論で有名な中尾佐助氏が著した「花と木の文化史」(岩波新書1986年発刊)から引用し、この問いに対する答えを探します。
植物の美しい花や赤い果実は、植物が生きていくために、昆虫や小鳥と共生を果たすようにうまく適応して進化してきた。こうして完成された装置が、人間に美しく感じさせられるのはなぜだろう。人間は本能的にその美を感応する能力を持って生まれてきたのだろうか。チューリップやバラの花は子供でもその美しさが分かる。これは本能的美意識によって理解容易だからである。しかし、原色で華麗な花があれば美しいと感じるかというと必ずしもそうではない、と記しています。確かに小さな子供でも花を愛でる感性はあると思います。さらに日本人は秋に咲くヒガンバナを墓地に咲く花としてとらえ、前向きに利用しないけれど、欧米人は赤いヒガンバナを積極的に庭の花として取り入れ、またヒマラヤに群生するシャクナゲも現地の人は全く見向きもしないと言います。これらのことから花の美しさの感じ方には文化的美意識も大きく影響しているのだと指摘しています。
この著書が発刊されたのは1986年ですが、中尾氏は日本の花屋には多くの華麗な花が売られているが、そのほとんどが西洋花であり、欧米の文化により改良されたものである。西洋文化の花の美学はだいたい本能的美意識にそって出来上がっていると断言しています。反面、日本人は多様な美意識を持っており、学習による文化的美意識によって求めるようになってきており、それは盆栽や江戸時代から続く古典園芸植物の愛好に顕著に現れているということのようです。西洋花であっても文化的美学を学習することで受け入れて来たという解説になろうかと思います。日本は明治以降西洋のバラなどを積極的に取り入れ、これは異国趣味となり、反面日本のツバキやサクラなどを取り込み尊重するも欧米人には特にをそれを異国趣味として捉えていないと分析しています。
花はなぜ美しいかという問いに対し、日本人は本能的だけではなく、花文化として美意識を高めてきたということになろうかと私なりに感じた次第です。より一層の花文化の浸透が求められます。


