【MPSニュース】市場や消費者の動向:気候変動と環境に関する国民意識について
異常気象という言葉にすっかり慣れてしまうほど、地球規模の気候変動は日常的なものになっています。一方、世界的なSDGsの広まりをさまざまな場面で目にするようにもなっています。このような中、人々の気候変動や環境に関する意識はどうなっているのか、環境省が本年行った国民意識調査の結果が公表されていましたので、ここでその一部をご紹介します。
気候変動に関する世論調査(速報値)より

人間の活動から発生する温室効果ガスの増加による地球温暖化が、気温や降水量に変化を及ぼし、さまざまな気候変動問題を引き起こしています。気候変動問題に対しては関心がある人々が90%以上(「関心がある」「ある程度関心がある」との回答の合計)と、重大な問題であることは国民共通の認識になっているようです。

温室効果ガスの排出量を森林等による吸収量で相殺されるレベルまで減らす、脱炭素社会への取り組みに対しても、(積極的に、または、ある程度)取組みたいと答えた人々が90%以上でした。気候変動問題への関心に比べると、最も積極的な回答の比率が低くなっています。他の質問への回答結果からの推測では、重要な問題であると認識していてもいざ実践するとなると、その取り組みに効果があるのかという疑念、何を基準に取り組めば良いか情報不足、普段から意識して生活することの困難さ、コストや手間がかかることへの抵抗、などが障害になっているようです。

そのような脱炭素社会の実現に向けて、現在すでに、日常生活の中で取り組んでいることを質問しています。回答は複数選択可能で、最も回答者の多かったものは「こまめな消灯など」、それに続いて「服装の調節によるエアコンの設定温度見直し」「省エネ性能の高い家電の購入」と、個人で実施可能な節電の取り組みがあげられています。さらに宅配便の再配達問題を意識してか一回の配達で受け取るための行動や、移動に際しての公共交通機関の利用などが挙げられています。「温暖化対策(環境対応)に取り組む企業の商品を購入する」と回答した人は10%と、節電に取り組んでいる人の6分の1という結果でした。

しかし同じテーマで「今後取り組んでみたいこと」への回答では、「温暖化対策(環境対応)に取り組む企業の商品を購入する」との回答が最も多く、全体の26%でした。あくまで想像ですが、身近でできる節電や省エネはすでに実施済みで、気候変動対策のためさらに取り組みを広げたい人々にとって、環境対応型商品の購入による企業の活動支援は次の有力な選択肢になっているのではないでしょうか。
環境教育に関する世論調査(速報値)より

国民の環境教育や環境意識、環境配慮行動について調査した「環境教育に関する世論調査」でも、温室効果ガス排出削減を含む環境配慮行動として、日常生活で実施していることを質問しています。そこでは食品の食べ切りなど食品ロス(食品廃棄)を減らすとの回答が、節電・節エネとの回答と同程度に高く、農水産物を無駄にすることは環境に良くないとの認識が浸透しているようです。「環境ラベルの製品や環境負荷低減農作物の購入」との回答した人が12%おり、これは先の「気候変動に関する世論調査」で「環境対応企業の商品購入」と回答した人の割合に合致しています。

環境保全と経済発展との関係に関する見方でも、90%の人々が環境保全に取り組むべきと回答しており、少なくとも意識レベルでは、日本国民の多くは地球温暖化防止や環境保全に前向きであると言って良いでしょう。
ここで紹介した調査結果は内閣府世論調査ホームページ(https://survey.gov-online.go.jp)で、分野:環境・自然、調査年度:令和2年(2025年)、と検索すれば閲覧・ダウンロードすることができます。

