【MPSニュース】1月号・巻頭言:日本の花き産業の今年の取組は!

MPSジャパン株式会社
代表取締役社長 松島義幸

明けましておめでとうございます。さて、今年はどんな年にしていくのか。グローバルにつながった世界経済の中で、ロシアのウクライナ軍事侵攻、ガサ紛争、トランプ関税、米国のベネゼイラ攻撃など世界は不安定な激動の中にある。加えて地球温暖化による気候変動から異常気象による猛暑、大雨洪水、山火事などの災害を引き起こしている。日本の花き業界は、円安による燃油、電力、輸送費、資材費の高騰で生産コスト上昇、生産者の高齢化、気候変動によるリレー生産の乱れによる価格上昇を招いた。小売は、花の仕入れ価格上昇にどこまで価格転嫁をするかで苦しんだ。

毎年定点観測している花き消費動向調査では、花き消費全体では、減少傾向が続いているが、Z世代に代表される若い世代の花き消費が増えている。成人式、卒業式などの花贈り、それをSNSで拡散すると言うような楽しみ方となっている。世代別、用途別に魅力ある商品をお客様に買って頂けるかが重要になってくる。また、季節感のある花、草花・枝物に人気が出ている。ホームユース、サブスクの需要など短茎の花が求められているが、これらの需要に生産、流通側がどこまで供給できるかが課題となっている。用途に応じた花の規格の整理も必要となっている。

花き物流問題では、ドライバーの就業時間を短縮すべくパレット・台車の導入が有効であるが、普及には時間がかかる。積載効率を上げるべく、共同配送、リレー配送、拠点物流センターの利用が必須となる。今年は、花き物流会社が課題解決・調整の場とする全国花き物流協議会が設立される。また、花き物流情報のDX化については、クラウドAPIを使用することによって、産地の出荷情報が各市場のシステムに合わせてつなぐことが可能となることが実証された。今後は、出荷データが、物流会社にもつながることで、物流の効率化にも寄与していくと思われる。クラウドAPI協議会の設立も今年設立されることになる。

切り花の日持ちでは、低温輸送貯蔵試験を各品目で試験してデータを蓄積している。低温貯蔵技術が確立できれば、出荷日調整や物日対応に役立つ。また、切り花日持ちJASが昨年スタートした。

さて、昨今SDGs(持続可能な開発目標)の言葉が氾濫しているが、日本の花き業界はどうなっているだろうか。海外では、小売側の強い要求に応じて世界の花き生産・輸入・卸流通・小売・資材が集合したFSI(Floriculture Sustainability Initiative)が、自ら目標を掲げて気候変動対策・環境対応、労働環境改善などに取組んでいる。2025年迄に世界の花きの90%を社会・環境に責任ある形で生産流通させるという目標で動いている。具体的には、花きの取引条件として国際認証MPSなどの取得が必須となってきている。

日本の花き業界では、生産の環境認証MPS-ABC取得は、欧州のような小売側からの要求がないこともあり進んでこなかった。来年に迫ったGREEN x EXPOでの調達基準でもサステナブルな花きが条件となっており、大手小売の調達基準にも環境認証MPSが求められてきて、ようやく生産者の環境認証取得の動きが出てくると思われる。